【同一系列内の場合|複数の障害がある時の等級付け】

序列を乱さないことが優先

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同一系列内で複数の障害がある場合、併合のルールは適用されません。

 

序列を乱さないことが優先されます。

 

同一系列内の複数障害の等級付け

一番重い障害の該当等級より上げた時に序列の定義に照らして矛盾がないか?

 

矛盾があれば、等級の繰り上げはなしです。

 

異なる系列での複数障害の場合より、等級の繰り上げは難しいことになります。

 

例1 右肩関節12級6号&右肘関節12級6号の場合

【上肢の序列の抜粋】

等級の序列

障害の内容

10級10号

1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの。

12級6号

1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの。

 

この場合、12級6号の直近上位は10級10号で、2等級の差があります。

 

直近上位と2等級差がある場合は、1等級上げて11級と認定されます。

 

例2 上肢2大関節用廃+αの場合

上肢の肩関節と肘関節が用廃になった場合を考えてみましょう。

 

この時、手首の関節が問題なければ、6級6号にピッタリ該当します。

 

手首の関節も用廃なら、5級6号にピッタリ該当します。

 

【上肢の序列の抜粋】

等級の序列

障害の内容

5級6号

1上肢の用を全廃したもの。

6級6号

1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの。

 

では、手首は用廃には至らないが、著しい障害が残った場合はどうなるでしょうか?

 

6級6号の定義よりは重たいですが、5級6号の定義ほどではないです。

 

この場合、6級6号とされます。

 

5級6号と認定すると定義に合わず、「序列を乱す」からです。

 

例1では一つ上の序列は2等級上で、間に定義のない等級が一つあるので繰り上げができました。

 

例2では中間の等級がないのでそれはできません。

 

このように、細かい障害の違いを反映できない大雑把なところがあります。

 

被害者から見ると納得できないかもしれませんが、こういう仕組みなのです。

 

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